COLUMN
コラム
2020.07.17
代表的なダクト清掃の方法
ダクトを点検・清掃せずに放置することの危険性
建物内で空調機の空気を送り出したり、換気をしたりするのに欠かせないダクト。
普段、ダクトのことを気にかけることはあまりないかもしれません。
しかし、定期的な点検を怠って放置していると、ほこりや油汚れが溜まり、
空調の調子が悪くなったり、換気が適切になされなくなったりすることも。
また、最悪の場合、ダクトの汚れが原因となって火災が発生する可能性もあります。
そこで今回は、ダクトを定期的に清掃すべき理由と具体的な清掃方法をご紹介します。
ダクト清掃が重要である理由
ダクトは外からの新鮮な空気を建物の中に取り入れる、建物内の汚染された空気を排出するなど、
建物の中の空気を清浄に保つ役割を担っています。
そのため、ダクトの内部がほこりや油によって汚れたままになっていると、
適切に換気がなされず、汚染された空気が充満してしまいます。
建物内に充満した汚れた空気は、人体にさまざまな悪影響を及ぼします。
その代表的なものには、関体感やめまい、頭痛などの症状が現れるシックハウス症候群があります。
この病気は、一般的には化学物質が含まれた建築材料によって起こるものであると思われがちですが、
ほこりやカビ、微生物による空気汚染が原因となることもあります。
また、厨房施設にあるダクトは油汚れがつきやすいものですが、厨房ではガスや火を多用します。
そのため、熱気を帯びた空気がダクト内を通る際、汚れに引火して火災が発生するケースも少なくありません。
ダクトを汚れたままにしておくことは、このような多くのリスクを放置するのと同じことであると言えます。
こうしたリスクは、ダクトを汚れたままま放っておかず、定期的に清掃することで軽減することができます。
ダクトの主な清掃方法
それでは、具体的なダクトの清掃方法についてご紹介しましょう。
必要換気量とは、室内の空気を衛生的に保つうえで、最低限換気しなければならない空気量のこと。
部屋の大きさや用途によって必要な換気量は異なるため、
自分たちのお店の必要換気量はどうなのか、しっかり把握しておかなければいけません。
ダクトビート工法
ダクトビート清掃法は、工場でよく使われるような大口径の換気ダクトを清掃する代表的な方法です。
大型の掃除機のような機器を使い、ダクト内にあるほこりを吸引して取り除きます。
比較的低コストで清掃することができますが、
工場内を長く大きなホースで占領してしまうため、業務時間外に行う必要があります。
ダストストリーム工法
マンションや戸建てにある、小口径の換気ダクトを清掃する際によく用いられる方法です。
ダクトビート工法で使用する機器ほど大きくはないものの、
比較的大型の掃除機のような機器を使用します。
この方法ではほこりを吸引するだけではなく、
ブラシをダクト内に挿入し、内部にこびりついた汚れを掻き落とします。
空調・換気ダクトの汚れはほこりやチリによるものがほとんどのため、
上述したように吸引や搔き落としだけでも汚れを落とすことは可能でしょう。
しかし、厨房ダクトのように油汚れが多い場所の場合、それだけで汚れを落とすことは困難です。
そのため、まずはダストストリーム工法でほこりによる汚れを落としたうえで、
油汚れを掻き取ったり薬剤で溶かしたりして落とします。
それでも落ちない場合は、高圧洗浄を行うケースもあります。
まとめ
放置することでさまざまなリスクを生む、ダクトの汚れ。
空調・換気ダクトであれば、5年に1回は点検・清掃を行いましょう。
なお、厨房ダクトは他のダクトよりも汚れが付着しやすいため、
1年に1回の頻度で点検・清掃を行う必要があります。
ダクトの本格的な清掃には、専門知識と高度な技術を要します。
そのため、清掃は自力で行おうとせず、プロに依頼することを強くおすすめします。