COLUMN
コラム
2020.04.17
冷媒管・ドレン管とは?
冷媒管・ドレン管は、エアコンなどの空調設備などには欠かせないものです。
夏場は猛暑が続く現代、いまやエアコンは生命を守る生活必需品ですよね。
エアコンを取り付けるには、室内機と室外機を設置し、
この2台を接続するため、壁に穴を開けての配管工事が必要となるのです。
しかし、室内と室外の2台の間にどのような配管があり、
どのような役割を果たしているか、構造まで理解している人は少ないのではないでしょうか。
今回は、エアコンなどの空調機には欠かせない、冷媒管・ドレン管についてご紹介します。
冷媒管の役割
室内機と室外機を接続する配管は、冷媒管と呼ばれる、断熱材で覆われた2本の銅製のパイプです。
必ず2本1組になるためペアコイルとも呼ばれています。
このパイプは、室内機と室外機を循環して、室内の熱を室外に放出する「冷媒」のフロンを運ぶためのものとなります。
エアコンで冷房を作動させると、まず室外機の圧縮機で高圧の液体となった冷媒が、送り側の冷媒管から室内機に送られ、
液化した冷媒は室内機の熱交換器で気化するのです。
液体は気化するときに周囲の熱を吸収する「気化熱」の性質があるため、
この熱交換器に送風することで、室内機から冷風が送られます。
室内機で気化して熱を吸収した冷媒は、受け側の冷媒管で室外機に送られ、圧縮機で液体になるのです。
これを繰り返し、室内の熱を外へと放出するのが冷房の仕組みとなります。
ちょうど室内の熱気をポンプで室外へ汲み出すような仕組みのため、
ヒートポンプと呼ばれており、給湯器などにも利用されているのです。
そのため、エアコンの冷媒管は、液体を室内機に送る側は細く、気体を室外機に送る側は太い2種類になっています。
また、この冷媒管があまり長くなると、熱交換率や電力効率が低くなってしまうため、
室内機と室外機はできるだけ近い場所に設置しなければなりません。
ドレン管の重要性
ドレン管とは、排水管や下水溝を輩出するための配管のことを言います。
ドレンとはdrainで「排水、排出(する)」という意味の英語となります。
エアコンの取り付けにはドレン管(ドレンホース)という種類の配管も必要になります。
空気には、温度が下がると含まれる水分が少なくなる性質があり、
エアコンは冷媒を使って室内の空気を冷やすため、室内機の熱交換器には空気中の水分が結露してたまることになります。
この水を室外に排出するのがドレン管なのです!
そのため、ドレン管は室内機から室外へホースを出す形で取り付けられます。
エアコンで多いトラブルに室内機からの水漏れがありますが、
この原因はドレン管のつまりが大半で、他には管のゆがみや劣化などの場合もあるので注意が必要です。
配管化粧カバーで劣化を防ぐ
室外機と室内機をつなぐ2本の冷媒管と、室内機から排水するドレン管ですが、
この配管のために壁に穴を開けて冷媒管を通し、
排水して大丈夫な位置にドレン管の排出口を出すのがエアコン配管の種類となります。
標準工事ではこの3本をまとめて樹脂のホースで覆い、保護テープで厳重に巻くなどの処置が取られますが、
この配管も長年、日光や風雨にさらされていると、テープやホースが劣化して配管が露出します。
また、冷媒管の断熱材まで風化して銅管がむき出しになるということが起こってしまいます。
一般にエアコンの配管の耐用年数は3年程度といわれています。
ただ、配管の劣化はドレン管のトラブルによる水漏れや、冷媒管の露出による熱交換率の低下の原因となります。
これらの対策として、配管化粧カバーを取り付けることでエアコンまわりがスッキリ見えるだけでなく、
室外機などはとくに、配管の劣化を抑える効果があるのです。